塾の「当たり前」をやめた~学校の「当たり前」をやめた~

塾屋&塾長の考え

千代田区工藤勇一さんの

学校の「当たり前」をやめたを読みました。

この本は、東京都千代田区麹町中学(公立)の校長先生である工藤勇一さんによる学校改革をまとめた1冊です。

おそらく、学校をはじめ教育関係者の方が2018年、最も注目した方の1人であり、2019年以降も話題・議論になる改革です。

 

その読後の感想と、私(塾屋)は愛知県豊田市の小さな学習塾ではありますが、そこで行っている塾の「当たり前」をやめた部分と絡めて書いていきます。

 

まずは、学校の「当たり前」をやめたの方からご紹介します。

工藤先生は改革家というイメージになっていますが、もともとは中学校の教員をはじめ教育委員会や教育再生委員会などの公職を経験されている方です。

 

改革

というと、アイデアのある人が新提案をして、それをリーダーシップをもって制度を変えていく感じがしますが、工藤先生の改革(例:定期テスト廃止、クラス担任廃止、宿題廃止など)は少し違います。

 

行っているのは『上位目標』に忠実にやっているだけ。

本書でも何度も出てくる『上位目標』という言葉が、工藤先生が伝えたい1つのキーワードだと思います。

 

上位目標・・・言葉のままですが、図表にするとこんな感じです。

(本書 47ページ図表)

 

言葉にすると『そもそも・・・』という言葉で言い換えられそうですね。

 

宿題の廃止を決めたところの記述でも、この考え方が出てきます。

何より重要なのは、学校の中で学習すべき内容を理解できるようにすることです。そして「やらされる学習」ではなく、生徒たちが主体的に学ぼうとする仕組みを整えることです。宿題が子どもから自律的に学ぶ姿勢を奪わないようにしなければなりません。

(本書 P25)

クラス担任も、定期テストも「上位目標」において絶対ではない。

工藤先生の「上位目標に忠実に」という視点で学校の制度を見直していくと、今まで「当たり前」とされていたことで、実は学校教育法にも学習指導要領でも規定していない慣習がたくさんあることが分かり、その1つ1つを「上位目標を達成するうえで、それは適切か(必要か)」を考えていったそうです。

 

 

次に、塾の「当たり前」をやめた~塾屋の仕組み~

次に、僭越ながら私の運営する学習塾「塾屋」は2007年の開塾時より、いくつかの「学習塾なら当たり前」だったものに対して疑問を持ち、試行錯誤の上「やめた」ものがあります。

 

塾屋がやめた「当たり前」4つを紹介します。

 

1:塾からの宿題をなくした

塾を起業する以前に勤めていた学習塾は大学時代のアルバイトを含めすべての塾で「宿題」を課していました。

量に差はあれど、中高生の場合は学校の宿題も多かったりします。

その宿題を「やったかどうか」「できるようになっているか」を管理するのは仕組み上、かなり大変です。例えば、60分の個別指導塾での指導の場合、先週出した宿題を「やったかどうか」ワークやノートでチェックします。そこでもし「やっていない」場合、どうしますか?その授業で一緒にやったりするかもしれません。そうなると、その週、1ミリも前には進めません。

また、やってあっても「できるようになったのか」確認する場合、おそらく講師が目の前で問題を作って解かせるでしょう。それだけでも、15分はかかります。それが不正解になっていようものなら、その解説などをしているうちに60分が終わりますよね。

 

結局、学習塾の宿題は「やってくること」が目的になっており、家で宿題をやっている=家で勉強をしている=親、満足という流れをもたらす道具になっています。

もっといえば、成績が上がらないときの言い訳として

『塾の宿題をやってこないんですよ』

『塾の宿題を丸写ししてるんですよ』

が使えるので、塾運営側としても宿題を出しておくことで、そういうリスク対策にもなっています

 

私は「上位目標」という言葉を当時は使っていませんが

24歳の私
起業時の私

大事なのは、やったかどうかではなくて、できるようになることだろ?

それなら、宿題は不要で、違うものが必要だ。

と考え、宿題のない塾の仕組みにしました。

ここで塾の詳細を書くと長文化するので、気になった方は最後まで読んでいただき、リンクしてある公式HP内でご納得いただけたらと思います。

 

2:友人紹介の禁止にした

塾屋でも開塾1年目は紹介をOKにしていました。

これはどの業界でもそうですが、利用者の口コミや友人の紹介は顧客を増やす最も効率の良い方法で、いかに口コミを増やすか、紹介したくなる仕組みを作るかを学習塾でも苦心しています。

 

大学時代、前職の学習塾では授業後に、そこの教室長に頼まれて

『これ、お友達を紹介すると図書カード2000円分がもらえるから、紹介してね!』

と言わされ、生徒に渡していました。

 

その当時は別にそこまで深く考えていませんでしたが、塾を始めたばかりのとき、塾教材の展示会であるセミナーを聴きにいったとき

塾で図書カードをエサに友人を紹介してもらう。それを、ある生徒が友人を連れてきて塾に来た時、その友人が「うわ!オレ、図書カード欲しさに勧誘されたんだ」と言っていました。たかが2,000円ではありますが、子どもに子ども同士が自分の利益になるための勧誘をさせているのは学習塾の方なんですよ。

みたいなことを聞き、目が覚めました!!!

24歳の私
24歳の私

そうか!だから自分は気が進まなかったんだ

そこで、まず1年目の途中で「紹介はOKだけど、何も特典はありません」にしました。

 

その後、2年目以降『生徒同士の紹介は禁止、保護者の方同士も禁止』になり現在もそれを継続しています。

幸い、塾屋は1教室しかなく、100名規模の学習塾だから可能というのもありますが、生徒を『次の生徒を連れてくる道具』として考えているような塾ではない宣言みたいなもので、「紹介禁止という点に惹かれた」という方もいらっしゃるくらいです。

 

3:新聞チラシをやめた

塾の集客は昔も今も、生徒を集める方法は

『新聞チラシ』『ポスティング(校門配布)』『紹介』の3つです。

 

感覚的にですが、順調に集客できている塾ほど「紹介」の割合が大きく、ピンチな塾ほど「新聞チラシ」の割合が大きい気がします。

 

ぶっちゃけると、塾を始めて4・5年目に1つの壁が来て塾がピンチのとき、新聞折込の量を増やしていました。

 

塾屋は『塾の中身に興味・共感された方だけ通って欲しい』という願いがあります。

集客をする上での「人を集める」の「上位目標」かもしれませんね。

 

塾を始めて数年間

『新聞チラシや電話帳などで調べて塾に来た方』

『塾の公式ホームページを読み、そこから問い合わせをされて来た方』

の割合、入塾までの流れ、入塾後の推移などを集計・分析しました。

 

すると、これは塾屋に限った話かもしれませんが、圧倒的に新聞チラシ・電話帳の方は「そこに塾がある」から通わせたいだけで塾の理念や仕組みには興味がないという方がほとんどでした。

 

たしかに集客力は新聞チラシもポスティングもまだまだ健在です。

でも、塾屋が来て欲しい方の数でいえば、圧倒的に「ホームページからの方」だったんです。

 

だから、2013年冬から新聞チラシを無くしました。現在でも年間0枚です。

もう、チラシの作り方も忘れてしまいました(笑)

 

先ほどの「紹介禁止」と併せると、塾屋は『ホームページからしか集客していない』ことになります。

 

 

4:口頭で説明するのをやめた

塾屋の入塾資料は、2冊あります。

1冊は、塾の理念や仕組みに関する冊子。これが現在は50ページくらい。

もう1冊は、入塾した後で、想定される質問や疑問に対するQ&Aページが110ページほど。

2冊で、計160ページになります!!

 

これも塾を始めた当初はもっと少ないページ数でしたが、懇談で、他の塾の情報を聞くと

お母さん
お母さん

入塾した時に言っていたことと全然違う。

 

そもそも資料がなくて月謝と曜日の紙くらい。

 

講習の説明なども一切ない、直前にお金だけ。

などなど、思わず「え!?」と大きな声が出るような実態を聞いてきました。

 

もちろん、それで困らない方も一定数いらっしゃると思いますが、親も子も納得できる塾を探している方にとっては、あまりに情報不足です。伝える側の努力(意識)不足です。

 

なので、塾屋ではなるべく話し言葉で、誤解や伝えていないというトラブルにならないよう、文章でしっかり書いてお渡ししています。すべて読まないといけないわけではありませんが、知りたい方にとっては十分すぎる(お腹いっぱい)な丁寧さを意識しています。

 

塾も学校も、リーダーの考え方・行動でつくられている

学校現場の工藤先生、塾の私も、ともに「そもそも、それは必要か」という問いを現場の実態を見て感じ、それを投げかけ、議論し、実際に行動として改革をしている点で共通しています。

 

学校なんてどこも一緒だろ

塾なんてどこも一緒だろ

と、私は入塾前の懇談で10年以上、グチのような嘆きとして聞いてきました。

 

たしかに、大きな枠で見たら同じに見えるかもしれません。

もしかすると、伝える学校・塾側がちゃんと伝える努力をしきれていないのかもしれません。

 

同じに見える学校も塾も、そのリーダーの言動、人柄などから、きっと「違い」が見えてきます。

今は情報が伝えやすい時代です。

伝える努力をしている学校・塾の情報を、まずはどこか1つでも「知ってみる」ことから始めてみてはいかがでしょうか?

 

塾長
塾長

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